8月20日(日)、広島県廿日市市大野町(宮島の対岸地域)のジオラマ授業は朝8時半の神社からスタート。地元の名所として知られる妹背の滝のふもとにある 大頭神社(603年創祀)は、昭和20年9月、終戦直後の枕崎台風による土砂災害で大きな被害を受けた歴史があります。
30名ほどの親子連れが本殿に集まり、当時の被害状況などについて宮司さんからお話をうかがいました。広島県は花崗岩質の土地が多いため土砂崩れが起きやすく(ブラタモリ でもやっていましたね)、現在海岸に沿って広がる平地も昔は海で、山から流れる土砂が堆積してできたものであることなど、災害を引き起こす地形の特徴などもわかりやすく説明していただきました。20年ほど前にも土砂で建物の一部が損壊するなどの被害があったそうで、災害の怖さを身をもって知っていらっしゃるそのお話は深く心に響きました。
そこからジオラマ会場の小学校まで、過去の土砂災害でも流されなかった稲荷神社などを巡りながら徒歩移動。
いつものように標高クイズで盛り上がりつつジオラマを組み立てたら、今回はとっておきのプロジェクションマッピング。
「あ、〇〇さんの家はがけ崩れが危ない!」「土砂でできた平地だからやっぱり揺れやすいんだね」など、河川浸水や土砂災害、液状化や津波・高潮などのハザードマップをジオラマ上に投影する度に大きな声が上がります。
終了後、「今帰ったら、子どもらが、おもしろかったよ~、あぶないことがあるってことがわかった、って言ってましたが、それだけでも大きな収穫でした。」とのうれしい声もいただき、汗だくの疲れも吹き飛びました。
今回、最初に災害の歴史などのお話を聞いて現地を見たことで、ジオラマの意義や内容に対する参加者のみなさんの理解がいっそう深まったように思います。神社やお寺には地域の災害史に関する資料があったり、長い歴史の中でより安全な場所へと移ってきているケースも多いことが知られていて、防災上の重要ポイントでもあります。そういった方々のご協力もいただきながら、さらに楽しく実りあるものにしていけたらと思います。