【Rethink PROJECT】江東5区(東京都墨田区) ~150万人が暮らす「海より低い場所」

東京の東側、江東5区と総称される海抜の低いエリアがあります。
墨田、江東、江戸川、葛飾、足立の5つの区で、荒川、墨田川、江戸川などの大きな河川に挟まれ、エリアの大部分が海より低い高さのいわゆる「ゼロメートル地帯」となっています。今回のワークショップの舞台はそんな江東5区の1つである墨田区のすみだ生涯学習センターでした。


8月2日の午後、集まったのは子供から年配の方まで30名ほどの皆さんで、大規模な水害のリスクを抱えるこの地域において、危険があるとは聞いているけれど、それはどの程度で、どんなふうに備えればいいのかあまりイメージできていないという方も。
いつものようにジオラマを組み立てて行きますが、今回は標高の「低さ」と広域のリスクを実感できるよう、荒川・江戸川の下流域およそ25km四方ほどを範囲として、東西の台地に挟まれたゼロメートル地帯を再現しました。

クリアシートの洪水ハザードマップをかぶせて見ると、中央の平地ほぼ全部が浸水エリアとなっていることがよくわかります。

後半はこのエリアならではの危険と備え方について、社団メンバーで気象予報士でもある赤坂が解説。ポイントになったのは「流域」という考え方。
●大きな川の下流域であるこのエリアには、どれだけ多くの雨水が集まるのか
●そのタイミングは一般的に抱きがちなイメージとどう違うのか
●ひとたび洪水が起きたらどのような規模の被害が想定されるのか
など、クイズを交えながら参加者の皆さんと考えていきました。
数十倍の面積の土地に降った大量の雨がこのエリアに集まってくる様子をイメージできたとき、リスクは実感へと変わり、皆さん口々に驚きと怖さを口にされていました。

完成したジオラマは9月10日まですみだ生涯学習センター(ゆーとりあ墨田)に展示されていますので、お近くの方はぜひ足を運んでみてください。