段ボールジオラマの防災授業、ワークショップとしてはじつに関西初上陸です!
初開催となった大阪府 堺市は、世界遺産登録された百舌鳥・古市(もず・ふるいち)古墳群のある街。
この古墳群、どんな風に表現されるのか…?歴史の視点から見てもワクワクのジオラマとなりました!
古墳群の中でも、日本最大の巨大前方後円墳の大山古墳(仁徳天皇陵)は、大阪湾を行きかう船に威厳を見せるために、湾からの眺めを意識した場所に造られていたと言われています。
今では当時とは違い、ビルや建物が立ち並び、海は見えなくなっていますが、海から見える場所という言葉からもわかる通り、地震や台風など、災害時には津波や高潮のハザードが想定される街ということがわかります。
今回のRethink PROJECTも、この津波ハザードを意識したプログラムを実施しました。
津波が大きな被害を生み出した東日本大震災。ジオラマの材料となる段ボールが災害時や災害からの復興時にも活躍したことをお話しすると、親御さんも興味津々で防災意識の高さがひしひしと伝わってきます(実はこのイベント、受付スタートから数日で満員御礼となっています!)。
堺市総合防災センターでは「あなたとあなたの大切な人を守るために、今、行動を」というメッセージを来館者の皆さんに伝え続けています。
今回はご家族で参加してくださった方が沢山、入園前のお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで。
家族で対話しながら防災を考えやすいように、今回の防災ジオラマ授業ではまとめのシートも使いながら、自分の考えを深め、家族と話ながら深めていく時間も作ったことが特徴でした。このシートは自由研究にも発展しそうなシートで「このまま宿題にする!」と真剣に取り組む姿も!
シートの中では、その時「誰と一緒にいるのか」「どう行動するのか」「どう備えるのか」を投げかけていますが、この部分は防災ジオラマで知った地形や災害のリスクを、総合防災センターの展示物と合わせて深めて貰いたいと思った部分。家族は「付き添い」ではない、家族で考え体感する防災ジオラマ授業×堺市総合防災センターの有意義なプログラムになったのではないかと思います。
体験者の印象的な言葉にはジオラマならではの言葉も!
「宅地開発で今はここ道路だけど、昔、川だったんだよ。ほら、谷になってるでしょう?」
ジオラマでは、古墳の様に人のくらしの歴史も知ることができますが、地球の歴史も人のくらしの歴史に重ねて知ることができます。防災ジオラマ授業が、子どもたちが知らないことを伝える伝承の場にもなっているんだな!と感じました。
そして、「うちのところ、津波はこないけど、助け合わなきゃならないよね」という言葉。
ジオラマにビニールシートで重ねるハザードマップは災害による影響を確認するツールですが、それ以外にも自分にできる行動を想像できる大切なもの。
是非、皆さんにももう一度ハザードマップを確認して、自分に今できることを想像して貰いたいと思いました!
堺市は面白い(けれど内容はしっかりした)ハザードマップも作られていました!これなら思わず開きたくなりますよね…(ゴルゴ13作者のさいとう・たかお先生のご出身地だそう!)
最後に、今回のジオラマ授業では視覚に困難をお持ちの方もご参加くださいました。
段ボールジオラマは対話をしながら防災を深めていきますが、プラス「触ること」を通じて伝えていける可能性も感じた機会をいただきました。
防災ジオラマとの出会いがもう一度、防災や災害を“考え直す(Rethink)”きっかけになりますように。