今回の授業は仙台市の燕沢小学校にて、5年生81名を対象に行いました。
はじめに学校近隣の標高をはじめとする地形情報や災害履歴を確認。燕沢小学校の周辺地域を見てみると、仙台市宮城野区の北東部に位置し、丘陵地と平地が織り交ざる地形が特徴です。このエリアは昭和後期から平成にかけて宅地化が進み、仙台市郊外の住宅地として発展してきました。
交通の利便性が高く、最寄りにはJR仙山線の陸前燕沢駅があり、地域の主要な交通拠点として利用されています。また、国道45号線が近くを通り、地域内外への移動が便利な環境です。
4グループに分かれて、ジオラマを組み立てていきます。グループの中で、キットの枠からジオラマとなるダンボールを外す人、細かいパーツの貼り付ける箇所を探す人など、担当をこどもたちが積極的に話し合って決め、手を動かしていきます。
完成したジオラマ
今回の地域は地域全体の全地高低差が少ない地域で、南東から北西にかけ緩やかに標高が上昇するジオラマでした。また、南方には田んぼや住宅街があり、北西には水辺を含んだ中央公園や、切土地から形成される斜面が存在することなど、実際のジオラマを囲みながら地域の特性について、こどもたちと共有しました。
組み立て後は、完成したジオラマを確認しながら、危険そうな個所を考えたり話し合ったりしていきます。
話し合いの中で・・・
<鶴ケ谷中央公園付近水域>
鶴ケ谷中央公園付近水域における洪水や更に北西の切土地のがけによる土砂災害の危険を認識する児童が集中していました。
<地域防災の伝承>
そのほかに危険箇所や防災意識をディスカッションする中で、「町内会で危ないと話題になっていた」ことや「近所のおじさんに過去の災害が発生していたことを教えてもらった」など、地域コミュニティに根付いた防災意識の伝承がわかりやすく、こどもたちの意見として複数挙がっていました。
近所の家・人付き合いが希薄になることが問題とされることもある昨今ですが、地域に根ざした災害履歴や避難先などの防災情報の伝承を発表の機会を通じて体現するこどもたちがたくさんいました。改めて地域防災の大切さをみんなで再確認でき、こどもたちにとって有意義な時間になったと感じました。